経営管理ビザの更新ガイド(第1回)|審査ポイントと準備チェックリスト
経営管理ビザは「取得して終わり」ではありません。更新で重視されるのは、事業の実態と社会的な適正(雇用・納税・社会保険)です。本記事では、はじめての更新で押さえるべき要点と、準備の進め方をわかりやすく解説します。
更新審査の全体像
更新では、申請時の将来計画よりも現在の運営実態が中心に見られます。特に、次の4点は一貫して重要です。
1. 事業実態の継続性
- 実在する事務所で日常的な経営活動を行っているか(賃貸借契約・賃料支払の証跡)。
- 売上・仕入・外注の動きが明確か(請求書・領収書・契約書・帳簿・入出金記録)。
- 名義貸し・ペーパーカンパニーと疑われる要素がないか。
2. 雇用の実態
- 雇用契約・勤怠・給与支払・源泉徴収等の記録が整っているか。
- 社会保険(厚生年金・健康保険等)への適切な加入・手続がなされているか。
3. 納税状況
- 法人税・消費税・源泉所得税等の申告・納付が適正であること。
- 未納・滞納がある場合は更新に不利になるため、事前に解消・説明資料を準備。
4. 社会保険の加入
- 会社・代表者・従業員の社会保険加入(対象外の場合は根拠)を証明できること。
- 保険料の納付状況が確認できること(納付書・領収等)。
よくある不許可リスク
- 実態の欠如:売上ゼロが続く、帳簿・証憑が出せない、事務所が実在しない。
- 形式的な雇用:勤務実態が伴わない、社会保険未加入のまま給与だけ支払。
- 納税・社保の不備:未申告・未納、支払計画の不整備、説明資料なし。
更新用チェックリスト(保存版)
個別事情により異なりますが、初回更新で特に準備したい典型資料は以下です。
- 会社関係:履歴事項全部証明書、定款、事務所賃貸借契約書と賃料支払記録
- 事業実態:見積書・発注書・契約書・請求書・領収書、売上台帳・仕入台帳、銀行入出金明細
- 会計税務:試算表・決算書(該当時期)、税務申告書控、各種納税証明書
- 雇用関係:雇用契約書、勤務表・勤怠記録、給与台帳・源泉徴収、社会保険の加入・納付資料
- 代表者個人:課税(所得)証明書、納税証明、居住実態のわかる資料 等
※必要書類は在留状況や会社規模で変わります。個別にご案内します。
制度改正への備え(2025年10月以降の見直し)
公表されている方針では、資本金3,000万円+常勤1名雇用、および事業計画書の専門家評価が求められる見直しが予定されています。新規申請を中心とした要件強化ですが、運用全体の厳格化も想定されるため、更新申請でも「実効性のある経営」を裏づける資料整備がより重要になります。
スケジュール設計の目安
- 在留期限の3か月前:必要資料の棚卸し・不足の洗い出し、税・社保の状態確認
- 2か月前:証憑の収集・帳簿の整備、事業計画のアップデート(次回期間の見通し)
- 1か月前:申請書作成・一式の最終チェック、追加資料の想定問答を準備
- 提出〜審査中:問い合わせ(照会)に迅速に回答できる体制づくり
まとめ|「実態」と「適正」=更新の核心
経営管理ビザの更新は、事業実態・雇用・納税・社会保険の4本柱が鍵です。制度見直しの流れも踏まえ、証拠資料を計画的に整備しましょう。当事務所は、更新から将来の永住・在留資格変更まで、入国後も継続的に伴走します。
※本記事は一般的な解説です。最新の法令・運用は公式発表をご確認ください。個別の状況により必要資料は異なります。
次回(第2回):永住申請の基礎(原則10年・就労/居住5年・高度専門職の短縮)/第3回:在留資格変更の実務ポイント

