最近、当事務所には海外からのご相談が増えています。
「日本で起業したいが、どのようにビザを取ればよいのか分からない」
「まだ会社を設立していないが、日本に渡航して準備を進めることはできるのか」
実は、日本には外国人の起業をサポートするために設けられた制度があります。
それが「スタートアップビザ(Start-up Visa)」です。
◆ スタートアップビザとは?
スタートアップビザは、日本での起業準備を行うために、最長2年間の在留を認める制度です。
まだ会社を設立していなくても、オフィスを確保していなくても、資金を日本に送金していなくても、
まず日本に入国して現地で準備を進めることができます。
◆ なぜこの制度があるのか?
最大の理由は、銀行口座がないと経営管理ビザを申請できない一方で、ビザがないと銀行口座を開設できないという「鶏と卵」の問題です。
通常、経営管理ビザを申請するには以下が必要です:
- 日本で会社を登記済みであること
- 事務所・事業所を確保していること
- 日本の銀行口座に500万円以上の資本金が入金されていること
しかし、多くの銀行は口座開設に「在留カード(=ビザ)」を求めます。
結果として「口座がない → ビザが取れない → ビザがない → 口座が作れない」という悪循環が生じていました。
⚠️ 最新の制度改正動向(2025年8月時点)
日本政府は、経営管理ビザの要件を大幅に厳格化する方針を発表しました。
従来の「資本金500万円または2人雇用」という基準は、以下の条件に置き換わる見込みです:
- 資本金3,000万円以上
- 常勤従業員1名以上(日本人または就労可能な外国人)
この改正は2025年内に施行予定とされており、申請を検討している方は早めの準備が必要です。
◆ 以前はどうしていたのか?
これまでは、日本在住の知人やパートナーに会社を設立してもらい、
その人名義の銀行口座に資本金を預けるという方法をとるケースが多くありました。
ただし、この方法は必ずしも違法ではないもののリスクが高く、
「実際の経営者が誰か」と審査で疑義が生じたり、「名義貸し」と判断されてビザが不許可となることもありました。
スタートアップビザは、起業家本人が自分の名義で準備を進められるようにするために設けられた制度です。
◆ どこで利用できるのか?
スタートアップビザは全国どこでも利用できるわけではありません。
法務省の認可を受けた一部の自治体のみで実施されています。
主な自治体は以下の通りです:
- 東京都(23区)
- 大阪市
- 横浜市
- 名古屋市
- 福岡市
- 神戸市
地域ごとに必要書類や支援内容が異なるため、拠点を選ぶ際には確認が必要です。
◆ 申請の流れ
- 自治体に事業計画書など必要書類を提出
- 自治体から「創業確認書(Start-up Confirmation)」を受領
- 入管にて「特定活動(創業準備)」ビザを申請
- 許可後、日本に入国し実際の準備を開始
- 準備が整い次第、経営管理ビザに切り替え
◆ この制度に向いている人
- 初めて日本で起業し、現地で準備を進めたい人
- 住居兼オフィスを到着後に探したい人
- 資金は用意できているが、まだ日本の銀行口座を持っていない人
- 夫婦やチームで日本に渡航し起業を計画している人
◆ 注意点
スタートアップビザは「準備のための在留資格」であり、単独で長期滞在や本格的な事業運営を行うことはできません。
必ず2年以内に会社設立・資本金の入金・事業開始を行い、経営管理ビザに切り替える必要があります。
◆ まとめ
スタートアップビザは、日本での起業を真剣に考える方にとって非常に有効な制度です。
ただし、必要書類や審査基準は自治体ごとに異なるため、専門家に相談しながら進めることをおすすめします。
申請要件や流れについて不明点がある場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
私たちが日本での第一歩をサポートいたします。
◆ ご相談・お問い合わせ
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